思考格差の拡大
AIの発展により、多くの作業で一定水準の成果を出しやすくなり、一見すると人々の能力差は縮まるようにも見えます。しかし私たちは、むしろこれまで以上に広がる可能性があると考えています。
AIの答えをそのまま受け取るのではなく、自ら問いを持ち、前提を疑い、検証し、必要な情報を選び、異なる考えを統合し、最後は自分自身で判断する能力。AIとともに考えながらも、思考の主導権を自分に残す力です。これが人々の成果の差を大きくしていくと考えています。
近年の教育研究でも、AIの出力に異議を唱え、矛盾を捉え、自らの判断を保持する「epistemic agency(知的主体性)」の重要性や、あえて「認知的摩擦」を残し、自ら考える機会を意図的に確保することの必要性が議論されています。
